令和六年夏至号
2024年6月21日公開
来たる6月24日は「ドレミの日」だそうです。
おなじみの、ドレミファソラシド〜の音階を定めたのは、中世イタリアの修道士で音楽教師のグイード・ダレッツォという人です。
6月24日は洗礼者ヨハネの生誕日で、毎年「聖ヨハネ讃歌」という歌を歌ってお祝いしていました。
しかし、それまでは楽譜というものがなかったため、聖歌隊が歌を覚えるのも一苦労だったそうです。
そこで、聖歌隊を指導していたダレッツォさんが、ドレミ〜の音階を定めて、歌を覚えやすくしたそうなんです。その日が1024年6月24日という説があり、その説が正しければ、なんと、今年が「ドレミ」が誕生して1000周年ということになります!
この1000年の記念すべき年に、何かちなんだブログネタはないかな、と思案していました。しかしながら、私はこれといった音楽の素養は無し。
そんな私(?)が「ドレミ」と聞いて真っ先に思いついたのは、やっぱり「ドレミファインバータ」ですかね〜。
「インバータ」とは、電圧や周波数を調整してモーターの回転速度を制御する装置のこと。そして、電圧や周波数を調整するときに「磁励音」というノイズ音が発生するんです。
一昔前の電車だと、発車するときに、「プオーン」とか「キーン」といった独特な音が聞こえていました。とくに、東京メトロの電車の音をよく聞いた印象があります。
不快とまでは言わないものの、ちょっとうるさいな、と感じる音でした。そんな音を少しでも楽しいものにしようと、ドイツのシーメンスという電機メーカーが、そのノイズ音を調整して、なんと、ドレミファソラシドの音階になるようにしたインバータを開発。このインバータを搭載した電車は、発車するたびに音階を奏でて走り出していくのです。
日本の鉄道会社でもいくつかがシーメンス製のインバータを採用していたみたいですが、特に有名なのが京急(京浜急行電鉄)でしょう。
シーメンス製インバータは通称「ドレミファインバータ」と呼ばれ、いつしか「歌う電車」という愛称もでき、鉄道ファンに人気がありました。
私も初めてドレミファインバータを搭載した京急の電車に乗った時、驚いた記憶があります。何かの警報音かな、と思ったくらいです。
ところが、インバータの製造技術が進んで、人間の耳に聞こえづらいノイズ音に改良されたため、現在の電車は発車時に大きな音を出すことはほぼ無くなりました。
京急でも、静かなインバータに置き換えが進み、最後まで残っていたドレミファインバータ搭載車も、2021年7月を以って運行を終了してしまったんです。
今では聴けなくなってしまった京急のドレミファインバータ。その足跡はないかな、と思い、横浜市まで行ってみました。
横浜駅に行きました。と言っても、JRの横浜駅ではなく、京急の横浜駅です。
横浜駅に到着した、京急の電車です。発車時も、静かなスタートでした。
実は、京急横浜駅北口の改札内に、ドリンクを購入するとドレミファインバータの音が聞ける自動販売機が2022年に設置された、というネットの情報を得ていたのです。
それで、北口改札に向かうと、商品補充中でした\( ˆoˆ )/
ちょうどトイレに行きたかったので、トイレに行って戻ってくると、商品補充も終わり、ドリンクが買えるようになっていましたので、早速購入!
左が、ドレミファインバータの音が聞ける自販機、右は、京急オリジナルグッズが買える自販機になっていました。電車がモチーフになっていて、いいですね!
駅名板風の「おしゃべり自販機」と書かれた看板がありました。
まず、ボタンを押すと、「まもなくエアポート急行 羽田空港行きが出発いたします〜」というアナウンスが流れました!
そして、交通系ICカードで支払いをすると、「出発進行!」という元気な声に続いて、電車の発車音と、音階を奏でるドレミファインバータの音が流れてきました!
さらにネットを調べると、横浜駅近くにある京急ミュージアムというところでも、ドレミファインバータを聴けるらしいので行ってきました!
立派な京急グループ本社ビルです。横浜駅から歩いて10分くらいのところにありました。
ビルの1階が、京急ミュージアムとなっていました。時間制限はありますが、予約無し、無料で入れました!(鉄道シミュレーション等は事前予約が必要で、有料でした)
そんなに広くはないですが、昔の京急の車両などの展示がありました。
中央には大規模な京急線のジオラマがありました。羽田空港など、沿線の名所が再現されていました。
ジオラマの下方に、「SIEMENS(シーメンス)」と書かれた銘板と、緑色のボタンがありました。
「ボタンをおしてみてね」と書いてありました。上の方には、気持ちよさそうに歌っている電車の絵もありました。
ボタンを押してみると、たしかにドレミファインバータの音が聞こえたのですが、ものすごく小さな音で、スピーカーに耳を近づけないとよく聴こえませんでした(*^_^*)