令和七年春分号
2025年3月20日公開
先月28日を以て、東京・新宿駅東口のランドマークとして長年親しまれてきたファッションビル「新宿アルタ」が完全閉館となりました。
ところで、新宿アルタを運営していた会社は、どこだかご存知ですか?実は、老舗百貨店の三越伊勢丹ホールディングスだったんです。
新宿アルタの場所は、土地・建物ともに長らく三越が所有していて、1978年まで三越系列のスーパー「二幸食品店」が営業していましたが閉店・解体され、1980年に「新宿情報ビル・アルタ」が完成しました。
新宿アルタのビルは三越の他にフジテレビや東京12チャンネル(今のテレビ東京)が資本参加したため、ファッションビルでありながら、最上階にはテレビスタジオが設置され、情報の発信基地としての機能を備えていました。
それゆえ、フジテレビやテレビ東京のいくつかの番組の収録が新宿アルタスタジオで行われましたが、なんといっても1982年から2014年までフジテレビで放映されたタモリさん司会のお昼のバラエティ番組『笑っていいとも!』が有名ですよね〜。
建物自体は三越の経営不振によって2000年に大阪の大手デベロッパーのダイビルに売却されましたが、ファッションビル「アルタ」は引き続き三越(その後、伊勢丹と経営統合して現在は三越伊勢丹)が運営、新宿のほかに札幌、新潟、池袋、原宿と店舗を広げましたが、札幌と新潟はすでに閉店。
そして、先月28日で新宿と原宿のアルタも閉店となり、現在は池袋サンシャインシティアルタが唯一の店舗となっています。
私個人は新宿アルタにはこれと言って思い入れはないのですが、「アルタ」と「歩いた」が似ているな、との思いつきで、営業最終日の2月28日に原宿アルタから新宿アルタまで歩いてみました。
原宿アルタの建物です。地上3階地下1階の建物で、初めて入ってみましたが、今年52歳になるおじさんの私が買いたいものは特に見当たらず、3階のおトイレだけお借りしました。
原宿アルタは竹下通りにありました。店を出て、JR原宿駅方面に向かいました。
竹下通りの入り口にある、おなじみの看板です。
竹下通りの入り口から線路沿いに新宿方面に向かいました。最初の信号、原宿外苑中学校西の丁字路の先に、何やら白い三角屋根の建物が見えました。
駅のホームのようですが、有刺鉄線が張られ、電車は止まらず通過していきます。
実はこの駅は皇室専用で、通称「宮廷ホーム」と呼ばれています。かつてはお召し列車もここから出発していましたが、現在は天皇陛下を始め皇族の方も、一般の駅を利用されることが多くなり、この駅はほとんど使用されなくなっています。
宮廷ホームの脇の細い道を進みます。
道が二手に分かれました。左に行ってみました。
周辺には美容専門学校などがあり、おしゃれな感じの通行人も多かったです。その先に墓地もあり、さまざまな顔を持つ街です。
不思議な段差の道路。段差の先の道を直進しました。
かなり細いまっすぐな道を進みます。東京の都心も、このような細い道がたくさんありますよね。
と思ったら、突き当たりで右にカーブ。
さらに新宿方面の細い道を進むと、正面にNTTドコモ代々木ビル(ドコモタワー)が見えました!
道を進むと、またまた二手に分かれる道がありました。ドコモタワーが見える方へ進むと行き止まりでしたので、右折です。
先に見える信号は明治通りという大通りですが、その手前の細道を左折しました。
山手線の内側とは思えない細い道と生垣。多摩地域の郊外の雰囲気を感じさせます。
そしたら、またまた突き当たりのJR線。線路沿いに右に折れました。
その先には、キレイな花が!河津桜ですかね〜。
細い道からついに大通りの明治通りに出ました。
新宿タイムスクエア前のY字路です。「新宿区」の大きな看板もありました。線路沿いの左に進みます。
新宿駅南口前の、武蔵野通り(右側)と分かれる道です。それにしても突き当たりとY字路が多いですね。左側の、新宿駅の駅舎に沿って進みます。
ついに新宿駅の駅舎の先に新宿アルタが見えました!明太子の看板があるビルです。
営業最終日ということで、アルタ前にはテレビ局の取材クルーもたくさんいらっしゃいました。
おなじみの大ビジョンに、閉館のお知らせ。「これからも、いい友で」と『笑っていいとも!』を意識したキャッチコピーも。
新宿アルタ前に着いたのは、お昼12時の5分くらい前。『笑っていいとも!』の放送開始時刻だった12時ちょうどに大ビジョンは何が映し出されるか注目しました。
そしたら、タモリさんの写真とメッセージが映し出されました\( ˆoˆ )/
新宿と原宿のアルタが閉館するお知らせも映し出されました。「(サンシャインシティはまだあります)」の一文も。
お店の前の看板。ここも「これからも、いい友で」メッセージが書いてありました。
もちろん、新宿アルタの店内も入ってみましたが、やっぱり買いたいものは特にありませんでしたので、ここでもおトイレをお借りしました。私も「頻尿世代」に突入しつつあり、おトイレが近くなっているんです(≧∇≦)
店内の各階エスカレーターの壁面に、新宿アルタにゆかりのある芸能人の方々の写真パネルと直筆メッセージが書かれたポスターが貼ってありました。
それぞれ、新宿アルタに対する熱いメッセージが書かれていましたが、なんと言っても目を引いたのはタモリさんのメッセージです。
かなりの達筆で「私はアルタで三十代から六十代までを過ごしました。森田一義」と書いてありました。
全く感情表現を使わず、淡々と事実だけを記述していたのはタモリさんだけ。余計なことを書かないことが却って長寿番組の司会を務めてきたことの重みと深みを感じたんです。
私は芸能人の中でもタモリさんは大好きで、その飄々とした人柄、多趣味、自由闊達な生き方など、「なりたい大人」のモデルの一人でもあるのですが、このメッセージを見て、ますます憧れが強くなりましたね〜。
さて、新宿アルタの営業最終日に、私なりのポエムを自作してみました。
いつまでもあると思っていたアルタ
今日で無くなると知って泣いた
明日からはアルタが「あった」に変わる
以上です。